帰りのバスが・・・
あれは埼京線沿線の製本工場へ派遣されたときのこと。
そこは駅から20〜30分ほどバスに揺られていった所にある、従業員7〜8人の小さな製本工場で、作業の補助的なことを手伝う仕事でした。
従業員の半数ほどが外国人で、初めは多少不安もありましたが、みな気のいい人たちで、問題なく作業を終えることが出来ました。
2〜3時間残業があったので終わったのは19〜20時頃だったと思います。
暗がりの中、バス停にたどり着くと、次のバスまで一時間ほどあり、呆然としました。
小雨も降り始めるし、周りは工場や空き地だけで、雨宿りする所もない。
こんな所で一時間も待てないと思った私は、駅まで歩くことにしました。
朝バスで来た道をそのまま戻ればいいと思って、歩き始めたはいいのですが、はっきりと道を憶えていなかったので、途中で迷ってしまいました。
雨も激しさを増してくるし、周りは工場や倉庫で、人も全くといっていいほど見かけません、とても心細い気分でしたが、勘をたよりに歩き続け、なんとか駅にたどり着くことが出来ました。
2時間近く歩いていたと思います。
この経験をした後は、帰りのバスの時間はいつも必ずチェックするようになりました。