足に釘が刺さった
あれは暑い夏の日の夕方、東京ベイサイドの某展示場に、イベント会場の解体、撤去作業に行ったときのことでした。
広い会場内にある、各展示ブースを解体し、あとかたずけをする作業に従事しました。
この手の作業が初めてだった私は、見よう見まねで、周りのスタッフの手伝いをしていました。
自分の担当はネットワーク機器や会場内に張り巡らされたLANケーブルの回収で、時間の経過とともに、なんとか作業の要領もつかめてきました。
作業の合間に周囲を見渡すと、各展示ブースはバラバラに解体され、あたり一面、がれきが散乱した状態になっていました。
作業も中盤に差し掛かった頃、少し前方にある何かを取ろうと、一歩足を前に踏み出した、その時、足の裏に鋭い痛みが走りました。
直感的に自分は釘を踏んでしまったのだなと思いました。
これは大変だと思い、急いで現場の担当者へそのことを伝え、救急箱の消毒液で簡単な応急処置をしました。
踏んだ釘は幸いに新しく、サビ付いていなかったのですが、破傷風(はしょうふう)のことが頭をよぎりました。
早く病院に行ってちゃんとした手当てを受けないと、と思いつつも残りの作業を続けてしまうのでした。(※本当ならばすぐにでも病院に行くべきです。)
それ以降、作業時は靴底の薄っぺらい靴をはかなくなったものです。